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【カンボジア旅行記】プノンペン「トゥールスレン虐殺博物館(S21)」訪問

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先日公開した「プノンペン&シェムリアップ4泊5日旅行のスケジュール」という記事にも少し書いたのですが、今回のカンボジア旅の大きな目的のひとつが、子どもと一緒に「カンボジアの近現代史に触れる」ということでした。今回の記事ではカンボジアの歴史、そして現状を考えるうえで避けては通れない暗黒歴史を伝える施設「トゥールスレン虐殺博物館(S21)」について書きたいと思います。

なお、記事中には残酷な表現や画像も出てきますので、苦手な方はこの記事をスキップされることをおすすめします。

Contents

トゥールスレン虐殺博物館(S21)とは

1975年4月からの3年9カ月におよんだ旧ポル・ポト政権は、極端な共産主義政策のもと、都市部に住む人たちを農村に強制移住させ、強制労働や拷問、虐殺をくり返したことで知られています。「原始共産主義社会」を目指すために私有財産を没収したほか、貨幣を廃止、宗教を禁止、学校や病院を閉鎖するなどといったトンデモ政策を繰り広げたうえ、政策を妨害するスパイとみなした人々に対しては激しい拷問を行ったそうです・・。

 

当時は教師や医者、僧侶などといった職業に就く人たちに加え、「外国語を話せる」「字が書ける」「メガネをかけている」というだけで知識人=スパイとみなされ捕らえられたというのだから狂っていますよね。さらには外国に移住した知識層に対してまで「新しい国づくりを手伝ってほしい」と嘘の手紙を出しカンボジアに呼び戻した上で拷問、虐殺したそうです。また、当時カンボジアに住んでいた外国人も数多く犠牲になっています。

 

スパイとみなされた人たちは各刑務所に送られ、そこで激しい拷問と尋問を受けたわけですが、数ある刑務所のなかでも特に凄惨な粛清の現場となったとされるのが、今回ご紹介する「トゥールスレン虐殺博物館(S21)」です。実際の収容人数や収容された人たちの身元は現在もはっきりしていないようですが、2年9か月の間に約20,000人がここに収容されたと言われており、そのうち生還できたのはたったの8人しかいなかったそう。地獄とかしか言えませんね。

 

 

ポル・ポト政権の残虐行為を現在に伝える博物館

ポル・ポト政権下では「S21」という暗号名で呼ばれ、秘密裏に稼働していたこちらの刑務所。1979年のベトナム軍によるプノンペン制圧の後にその存在が明らかになります。発見時には看守たちは既に撤退・逃亡した後だったそうですが、凄惨な現場の様子は想像に難くありません・・。

 

その後、S21は地名を取って「トゥールスレン」と呼ばれるようになり、現在は国立博物館として一般に開放されています。ポル・ポト派が行った残虐行為を後世に伝えることを目的としており、拷問室などは発見時に近い状況で開放しているのが特徴です(床の血痕などもそのまま残っています)。

 

 

音声ガイドの利用がおすすめ

2018年12月現在、トゥールスレン虐殺博物館(S21)の入場料は大人5USドル、子ども(10~18歳)3USドルとなっています。

 

追加で3USドルを払うと各国語の音声ガイドを借りることができるので、個人で訪れる場合は音声ガイド利用が絶対おすすめです。私たち夫婦は日本語、息子は英語のガイドを借りました。

 

言語ごとに音声ガイドパンフレットも用意されています。

 

各ポイントには下写真のような番号札が立てられており、パンフレット記載の番号と連携しています。各スポットで音声ガイドの該当番号を押すと、詳細な説明が聞けるという仕組み。

事前にTripAdvisorで「日本語音声ガイドが素晴らしい!」という絶賛のコメントを多数目にしていたのですが、本当に素晴らしいガイドでした。音声を聞きながら「当時の様子はどうだったんだろう」と想像力を広げてみると、有意義な見学ができるのではないかと思います。また、個人で英語ガイドをつけることも可能だそうです(要チップで6USドルが目安)。欧米人観光客は個人ガイドを付けている人が多かったです。

 

 

衝撃に言葉を失う

前述のとおり、発見時にできるだけ近い状況で開放されている博物館とあって、本当に生々しい展示が続きます。精神的に余裕がある時でないと、見て周るのがしんどい内容ばかりです。

各拷問室には拷問時に使用したベッドがそのまま置かれています。壁にはその部屋で拷問死した方の写真も・・。

 

中庭に設置されていた拷問具。収容者はここに逆さに吊られ、地面に置かれた人糞の入った樽のなかに何度も顔を沈められたそう。

 

当時使用されていた独房もそのまま残っています。

上記に掲載した写真は展示のほんの一例で、ここには写真を載せられない「見るに堪えない」残酷な展示が本当に多いです。そのため、もし子連れで訪れるなら、展示の内容が十分に理解できる年齢になってからが良いと思います。

 

今回私は11歳の息子と一緒に見学したのですが、自分と大して変わらない年齢の少年・少女が兵士として、強制収監されている大人たちを監視、拷問、殺害していた事実が子どもにとっては最も衝撃的だったようです(ポル・ポトは「何色にも染まっていないから」という理由で少年・少女を兵士や看守に採用したそうです、要は洗脳しやすいから)。息子は事前に自分でポル・ポトに関しての本も読んでいたようですが、本で知るのと現地を訪れるのとでは感じるところも大きく違ったようで。まだ息子には早いかな?とも思っていたのですが、親子で訪れて良かったと思っています。

 

ちなみに、私個人的には惨たらしい処刑後の写真を見せられるよりも、ずらりと並べられた収容者たちの顔写真を眺めることのほうが何倍もつらかったです。ここに収容された人たちは収容時に顔写真を撮影されたそうなのですが、怯えた眼差し、子どもの場合は純粋無垢な表情で写っているものが多く、なんともいえない気持ちになりました。繰り返しますが、ここを訪れるときは精神的に余裕がある時を選んで訪れることを強くおすすめします。

 

 

キリング・フィールドへ続きます

今回ご紹介したS21で処刑された人たちの遺体は当初、建物裏手に埋められていたようですが、じきにそこも満杯になったのと、処刑時の叫び声が響く事への懸念から、1977年にはプノンペン郊外に処刑・埋葬の場が移されました。これが現在「キリング・フィールド」と呼ばれている場所になります。

 

今回、私たちはトゥールスレン虐殺博物館見学のあと、このキリング・フィールドへも続けて足を運んでみました。次の記事でキリング・フィールドについて詳しく書きましたので、よろしければそちらもご覧になってみてください。

 

 

スポット情報

トゥールスレン虐殺博物館(S21)

住所: St 113, Phnom Penh 12304, Cambodia

TEL:(+855)23-665-5395

開館時間:08:00-17:00

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